見る前に跳ぶんだ

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実は成長できる。コンビニバイトのススメ

コンビニバイトってつまらない?

本当ですかね。

 

実は僕、セブンイレブンの店員やってます。

まぁ何を隠そう、僕もつまらないけども楽そうだと思って始めたのですが。

 

ただ、今日は視点を変えて、本当にコンビニはつまらないのか考えてみましょう。

コンビニは本当はとても成長できるバイトなんです!

 

コンビニは市場、時代の動きに敏感

まず、コンビニのビジネスを考えてみましょう。

コンビニは「便利屋」という直訳にもわかるように、品ぞろえが命の、ロングテール型のビジネスです。一つの主力商品にこだわるわけではなく、多くの品目をそろえることで、広いターゲット層に訴求して売上を保っています。

 例えば、大ヒットしたセブンカフェ。新聞では大きく報道されていますが、実際に一日の売り上げは100杯程度、たった1万円です。

 

というわけで、一発のスマッシュヒットで逆転できるビジネスではなく、全ターゲット層のそれぞれに細かく気を配る必要があります。

今だったら妖怪ウォッチ、メロンパンの皮、など市場で話題になっている商品の多くが常に店頭にあり、コンビニでバイトするだけで、世の中のトレンドにかなり詳しくなることが出来ます。

 

 

経営の感覚が等身大で学べる

これは意識していない人が多いのではないでしょうか。

コンビニの規模を考えてみてください。大体、一店舗のアルバイトは20~30人。2014年度版のセブン&アイ・ホールディングスのアニュアルレポート(p24)によればセブンイレブンでは一店舗の一日平均売り上げが66万円、これを365日、一年で約2億4千万の売上つまり、一人当たり800万~1200万円の売り上げに貢献してることになるんです。

意外と多いですよね?また、下記参考文献にも取り上げられていますが、コンビニは「フラクタル」な組織です。つまり、一部分を取り出すとそれは全体と相似な形になる。例えばフランチャイズのオーナー。個店が複数集まってコンビニとなっているわけですが、このオーナー一人一人を取り出したとき、それぞれがバラバラでは意味がない。オーナー一人一人はコンビニ全社の理念を過不足なく持っており、一人と組織全体が同じ形をしているので、一つ一つの個店で学べることは本体と同じ、ということです。

 その中でも特に重要な点として、発注にコミットできることが挙げられます。店にもよるとは思いますが、半年もバイトすれば、大体発注を任されるようになります。

自分が発注した商品が売れるのか売れないのか、その当事者意識は他のバイトではなかなか経験できないものです。

では、自分が発注がした商品が売れるにはどうしたらいいのか?

必要なスキルは二つあります。仮説の構築と検証、そしてロジカルシンキングです。つまり、しっかりとした根拠に基づき発注し、売れたのか、売れなかったのかをしっかり検証する。そこから外的な環境の変化とお客さんのニーズ、そして当該商品の売れ方の三者に因果関係を明らかにしていく、という作業です。

 

例えば。

 

明日は寒くなるらしい。

⇒去年は急に寒くなった日、どんな商品が売れてたんだっけ?

⇒暖かいお茶とおでんがよく売れてたな、これを発注しよう。

⇒実際、お茶は売れたけど、おでんはいまいちだったな~

⇒待てよ、おでんの中でも、大根だけは売れて早々に欠品しているな。

⇒そうか、気温が下がった時、おでん全体じゃなくて、大根を重点的に入れるべきなのか!

 

 という感じです。

まず、発注する際に、去年の売り上げを根拠に、気温が寒くなった時、お茶とおでんが伸びる、という第一の仮設を持って臨みます。そして、その成果を検証、そして失敗した際にはそれを第二の仮設下線を引いている部分)を立てて、再度発注を行い、売り上げを検証します。一人一人の発注者がこのサイクルを回すことによって、店全体として、顧客のニーズと外的環境の変化を逃すことなく、店の売り上げが保てるのです。

ちなみに、 これはコンビニだけでなくあらゆるビジネスの基礎です。これを起業などすることなく、全くのリスクなしで学べる、というのは非常にお得ですね。

 

 

 

実は外国のお客さんが多い

 これは、その場所の外国人比率に左右されるので、店舗による違いは大きいと思いますが、少なくとも同じ立地で比べれば、確実に他の小売りや飲食店よりかは多いです。これは、もちろん、英語をしゃべる機会でもありますし、グローバルな買い物感覚を磨くという意味でも非常にいい機会だと思います。

 

外国人がコンビニによく来るのにはいくつか理由はありますが、

 

①外国人の広いニーズに応えている

コンビニは顧客ニーズの動きに敏感、というのは先に述べた通りですが、それは外国人のお客様も同じです。例えば、観光地であればお土産があったり、ヨーロッパ系やアジア系のお客さんはフルーツを食べる習慣日本より強いので、フルーツが置いてあったり、最近では中国人のお客さんのニーズに合わせて持って帰るための化粧品を多く取り寄せていたりします。そういう地道な洞察と気遣いに基づく品ぞろえが吸引力になっています。

 

②コンビニはグローバル展開しているため、なじみがある

日本のコンビニはグローバル、特にアジア圏では影響力があります。セブンが、台湾、韓国、中国、タイ、ファミマが台湾、タイ、中国、インドネシアベトナム、フィリピン、ローソンが中国、タイ、インドネシア、と展開を広げており、日本人が海外に行ってマックやスタバを探すような感覚でコンビニに入ってくるお客さんは多いです。

 

そして何といっても、

 

③ATMがある、これでしょう。

最近は電車でも、セブン銀行がほぼ日本語なしの広告を出していますが、海外のコンビニで24時間ATMが使えるというのは、旅行している身にとっては非常に便利です。そのため、コンビニによってついでに一品買う、買う、といったお客さんが非常に多いです。

 

こうした環境で働けば、いやでもどの国の人がどんなものを買うのか、考える癖がつきます。そして、だいたい各国の傾向はそれぞれの文化や習慣、そしてトレンドに紐ついています。

これはローカライズ、というグローバルでのビジネスの基礎であり、それが日本にいながら学べるというのは非常に有意義です。

 

結論

コンビニバイトはビジネスに大切なことを多く学べる。

所謂、意識高い学生もどんどんチャレンジすべし!

時給は低い分、学費を払っていると思って学ぶ姿勢を持って臨めばもっと納得感が持てるはず!

面接も簡単だし、シフトも融通が利く。始める ハードルは低いです。是非、一歩踏み出してみることをお勧めします('ω')ノ

 

 

セブン&アイHLDGS.9兆円企業の秘密―世界最強オムニチャネルへの挑戦

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セブンイレブンのみでなく、セブン&アイ・ホールディングス総体として分析した一冊。

コンビニはものをただ仕入れた売るだけでなく、「近くて便利」という利点を活かした、インフラとしての付加価値の出し方がある、という視点が面白いです。

リアル店舗とインターネットをシームレスに統合するオムにチャネル。これがどう実現するのか考えるとワクワクします。是非読んでみてください!