見る前に跳ぶんだ

日々の雑考。方向性はこれから考えます。

【ここがおかしい】日本の就職活動について

今年から就職活動の後ろ倒しが大きく話題になりましたが、そんな混乱の最中、こんな記事を見ました。

http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO90665810Y5A810C1000000/

正直、怒り心頭です。

この人、就職活動のことなんてなにもわかってないんじゃないか。

そもそも、三井物産だって今年は7月から水面下で選考を行っています。

現場のことがなにもわかってない。これはちょっと恥ずかしい妄言ですよね、、、

 

この後ろ倒しが始まる前から日本の就職活動は矛盾だらけです。

今日は日本の就職活動のおかしな点について考察します。

 

一括採用がおかしい

そもそも、この問題の元凶は新卒一括採用という仕組みの時代遅れ化にあります。
以前の日本では終身雇用という仕組みのもとで生え抜き社員を自前で育て上げることで競争力を保ってきました。
そのためには同期は一括で集めて一括で研修を行う方が効率が良かったのです。
 
しかし、国際的なビジネスの変化のスピードアップに伴い、終身雇用制度はみなが同じ閉じたコミュニティーに収まるのでイノベーションが起きにくい、社員の過度の安定によるインセンティブの欠如など、負の側面が目立つようになってきました。
もちろんアメリカみたいにバンバンクビにするのがいいとも思えませんが、終身雇用、自前育成に過度にこだわる必要はないと思います。
新卒の重みが下がって転職がもっと受け入れられるようになれば、学生ももっと勉学など学生時代にしかできないことに専念できるようになるはずです。
 
また、学生だって理系院生、留学勢、体育会系など忙しい時期は様々です。
 
なのに一括で時期を押し付けてはい、じゃあみんな勉強してね、じゃむしろ迷惑を受ける学生の方が多いです。
 
企業も通年採用にして学生の多様なニーズに応えるべきです。
 
 

インターン採用ご法度がおかしい

経団連に従う会社はインターンを就業体験という企業の社会的責任に位置付けており、就職活動とは関係ないとしています。(建前)
 
しかし、これはよく考えたらおかしいです。
なぜならインターンは面接と違い実際の業務体験で、通常の選考なんかよりよっぽど適性が見えるからです。
 
インターン採用がご法度な理由は大学低学年から実質的な就職活動を強いられることへの懸念ですが、インターンは夏休み、冬休みなので勉学への悪影響があるとは思えません。
また、欧米の大学では長期休暇でインターンすることは当たり前の選択肢になっていますが、個人的に知る限り、彼らは日本の大学生よりよっぽど勉強していると思っています。
 
しかも事実上は現在もインターンから本選考への優遇はあるので、名目上の禁止措置はいたずらに混乱を招いているだけです。
 
これは解禁すべきです。
 
 

 

 

既卒冷遇がおかしい 

 
これが一番おかしいです。
大学生は勉強しろ、といいつつ、なんやかんやで大学生のうちに就職活動させているのは本当に意味わかんないです。
 
一応、募集要項には既卒も応募可となっていますが、実際、多くの大企業でそれが通らないのは暗黙の了解です。
なのに、後ろ倒しを叫ぶ会社さえ、既卒の優遇を明記する会社はどこもありません。
 
 
既卒での就職活動が定着すれば、在学中に就職活動にとらわれず、留学、研究、長期インターン、起業などもっと自由な学生生活が送れるはずです。
 
中途半端な後ろだ押しではなく、これこそ、学業重視の経団連がやるべきことのはずです。
 

まとめ

日本の就職活動の問題は単に時期とかではなく、もっと根本的な問題です。
改革を望むならば、企業はまず自身の価値観を見直して、これまでの新卒一括採用の殻を打ち破るイノベーションを起こしてほしいものです。